出産後、体重は戻ったのに「産後のお腹が戻らない」と悩んでいませんか?
実はそのぽっこりお腹、腹直筋離開が関係しているかもしれません!
多くのママが経験するこの変化は、見た目だけでなく体の不調にもつながります。
本記事では、腹直筋離開の仕組みからセルフチェック方法、安全な改善エクササイズまでを詳しく解説。
「私だけじゃなかった」と安心でき、今日からできる対策が見つかります。

理学療法士トレーナー オーマ
理学療法士として9年以上、病院・訪問リハビリ・自費リハビリで1万件以上の臨床経験を積む。
運動療法と生活習慣病予防の専門家として、家庭でできる健康づくりをテーマに情報発信中。
資格:理学療法士(医療系国家資格)、3学会合同呼吸療法認定士
職歴:都内の総合病院リハビリテーション科で勤務、急性期~維持期までを経験
その後、訪問看護ステーションでリハビリ業務に従事した後
自費リハビリサービスを提供する会社で勤務、現在に至る
専門領域:運動療法、生活習慣病予防、姿勢改善、育児期の体の使い方指導、
トレーニング、コンディショニング
腹直筋離開とは?(ふくちょくきんりかい)
なぜ産後に離開が起こるのか?

妊娠中、赤ちゃんの成長に伴って子宮が大きくなると、お腹の筋肉にも変化が起こります。
腹直筋は左右一対の筋肉で、通常は中央の白線(はくせん)という結合組織で結ばれています。
妊娠が進むにつれて、成長する胎児を収容するために腹部が前に突き出してきます。
この時、腹直筋にかかる圧力が増加し、左右の筋肉を結ぶ白線が徐々に伸びて薄くなります。
さらに、妊娠ホルモンのリラキシンが結合組織を柔らかくする作用があります。
出産後も、一度伸びた白線はすぐには元の状態に戻りません。
特に帝王切開や多胎妊娠、高齢出産の場合は離開が起こりやすくなります。
- 妊娠中は腹直筋が引き伸ばされる
- 妊娠ホルモンの影響で伸び、薄くなる
- 産後も回復には時間がかかる
腹直筋離開が引き起こすリスク

腹直筋離開は単なる見た目の問題ではなく、様々な身体的トラブルを引き起こします。
最も代表的なのが、下腹部の突出や「ぽっこりお腹」の状態が続くことです。
体幹の安定性が低下するため、腰痛や骨盤の歪みが生じやすくなります。
また、腹圧をかけにくくなることで、便秘や尿漏れなどの症状も現れることがあります。
重いものを持ち上げる際に腹圧が十分にかからず、腰部に負担がかかりやすくなります。
さらに、姿勢が悪くなることで肩こりや首の痛みも引き起こす可能性があります。
放置すると症状が慢性化し、日常生活に支障をきたすこともあるため注意が必要です。
- ぽっこりお腹や体幹の不安定化
- 腰痛・骨盤の歪み・排泄トラブルの原因に
- 姿勢悪化や慢性的な不調につながる
腹直筋離開のセルフチェック方法

セルフチェック方法
腹直筋離開は自宅で簡単にチェックすることができます。
まず、仰向けに寝て膝を立て、リラックスした状態になります。
片手をおへその上に置き、もう一方の手で頭を支えます。
ゆっくりと頭を持ち上げて軽く上体を起こし、腹筋に力を入れます。
この時、おへその上下に縦に走る溝や隙間を指で触って確認してください。
指が2本以上入る幅の隙間があれば腹直筋離開の可能性があります。
チェックは産後2か月以降から行うことをおすすめします。
また、おへその上、おへその位置、おへその下の3か所で確認することで、より正確に状態を把握できます。
痛みがある場合は無理をせず、体調の良い時に行いましょう。

- セルフチェック方法は仰向けで腹筋に力を入れる
- 指が2本以上入る隙間は腹直筋離開の可能性
- 産後2か月以降に、3か所で確認するのが理想
チェック時の注意点と受診の目安
セルフチェックを行う際は、腹部に痛みがないことを必ず確認してください。
帝王切開の傷がある場合は、傷が完全に治癒してから実施することが大切です。
指3本以上の幅(約4.5cm以上)の隙間がある場合や、隙間の深さが指の第一関節より深い場合は、医療機関での相談をおすすめします。
また、腰痛や尿漏れなどの症状がある場合も専門医への相談が必要です。
セルフチェックの結果に不安を感じる場合は、産婦人科や整形外科、理学療法士のいるクリニックで詳しい診断を受けましょう。
適切な治療やリハビリテーションにより改善が期待できるため、一人で悩まず専門家に相談することが重要です。
- セルフチェックは痛みがないことが前提
- 深い・広い隙間や症状がある場合は医療機関へ
- 不安があるときは専門家に診断を依頼する
産後ママにおすすめの対処法・エクササイズ

安全な腹筋再教育エクササイズ
腹直筋離開の改善には、正しい方法で段階的に腹筋を鍛えることが大切です。
まずは腹式呼吸から始めて、深層筋である腹横筋を意識的に使えるようにします。
仰向けで膝を立て、鼻から息を吸いながらお腹を膨らませ、口から息を吐きながらお腹をへこませます。
次の段階では、ペルビックティルト(骨盤傾斜運動)を行います。
仰向けの状態で腰を床に押し付けるように骨盤を後ろに傾け、5秒間キープします。
慣れてきたら、四つ這いでのキャット&カウ運動も効果的です。
最終段階では、デッドバグ運動やプランクの変形版を取り入れます。
ただし、これらの運動は必ず医師や理学療法士の指導のもとで行い、痛みや違和感がある場合はすぐに中止してください。
- 改善の第一歩は腹式呼吸と腹横筋の活性化
- 骨盤傾斜運動やキャット&カウで体幹を強化
- 応用編では慎重にデッドバグやプランクを導入
やってはいけない運動

腹直筋離開がある状態で従来の腹筋運動を行うと、症状が悪化する可能性があります。
特に上体起こし(シットアップ)やクランチなどの動作は、腹直筋をさらに引き離す力が働くため絶対に避けてください。
ねじりを伴う腹筋運動(ツイストクランチ)や、両足上げ腹筋、バイシクルクランチなども同様に危険です。
これらの運動は腹圧を急激に高め、白線への負担を増加させてしまいます。
また、重いウェイトを使った筋力トレーニングや激しい有酸素運動も控えるべきです。
プランクも正しいフォームができない段階では逆効果になることがあります。
運動を始める前には必ず専門家に相談し、個人の状態に合わせたプログラムを作成してもらいましょう。
- 従来の腹筋運動は腹直筋離開を悪化させる
- 腹圧を高める動きや高負荷トレーニングも危険
- 運動は専門家の指導のもとで個別に調整することが重要
よくある質問

まとめ

体型戻しと心の安心のために、今日からできることを一歩ずつ
産後のお腹の悩みは多くのママが経験する自然な現象ですが、適切な知識と対処法を身につけることで改善が期待できます。
腹直筋離開は見た目の問題だけでなく、腰痛や尿漏れなど様々な身体的トラブルの原因となるため、早期の対応が重要です。
まずは正しいセルフチェック方法を覚えて、自分の状態を把握しましょう。
そして段階的なエクササイズで筋力回復を図り、必要に応じて専門家のサポートを受けることが大切です。
一人で悩まず、医師や理学療法士などの専門家と連携しながら改善に取り組んでください。
- 腹直筋離開は妊娠中のホルモンと物理的圧迫が原因で起こる
- セルフチェックは産後2か月以降、指2本以上の隙間があれば要注意
- 指3本以上の幅や深い隙間がある場合は医療機関への相談が必要
- 従来の腹筋運動は絶対に避ける
- 腹式呼吸から始めて段階的にエクササイズを進める
- 軽度なら自然回復可能だが、重度は専門的治療が必要
- 次の妊娠前に可能な限り改善しておくことが理想的
産後の体は大きな変化を経験しており、焦らずに自分のペースで回復に取り組むことが何より大切です。
正しい知識を持って適切なケアを続ければ、必ず改善への道筋が見えてきます。


参考文献・引用:
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_H2-19_2/_pdf/-char/ja
・https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_H2-92_1/_pdf/-char/ja
・https://www.kobayakawa.clinic/blog/1231/
・https://www.medicalonline.jp/review/detail?id=10075
・https://doodlemama.jp/post-849/
