「産後いつから運動していいの?」「体型を戻したいけど何から始めれば?」

出産を終えたお母さんなら誰もが抱く疑問ですよね。
この記事では、産後運動の適切な開始時期から注意すべきポイントまで、
専門的な知識を初心者にもわかりやすく解説します。
時期別の運動目安や避けるべきNG行動を知ることで、安全かつ効果的に理想の体型と健康を取り戻せます。
正しい知識で産後の新しいスタートを切りましょう。


理学療法士トレーナー オーマ
理学療法士として9年以上、病院・訪問リハビリ・自費リハビリで1万件以上の臨床経験を積む。
運動療法と生活習慣病予防の専門家として、家庭でできる健康づくりをテーマに情報発信中。
資格:理学療法士(医療系国家資格)、3学会合同呼吸療法認定士
職歴:都内の総合病院リハビリテーション科で勤務、急性期~維持期までを経験
その後、訪問看護ステーションでリハビリ業務に従事した後
自費リハビリサービスを提供する会社で勤務、現在に至る
専門領域:運動療法、生活習慣病予防、姿勢改善、育児期の体の使い方指導、
トレーニング、コンディショニング
産後の運動、いつから始めていい?


自然分娩の場合の目安
自然分娩後は、一般的に2週間ほどで軽い運動を始められます。
分娩中に特に問題がなかったのであれば、
骨盤底筋群に負担がかからないように寝たまま体操を始めても良いでしょう。
産後すぐに始められる軽い運動から、段階的に運動強度を上げていくことが重要です。
帝王切開の場合の目安
帝王切開では傷の回復に時間がかかるため、運動開始は慎重に判断します。
帝王切開で出産したママ、分娩中に問題があったママは、4~6週間ぐらいは体操を控えましょう。
手術による傷の回復を最優先に考える必要があります。
時期別|産後のおすすめ運動メニュー


産後0〜1ヶ月:安静に過ごすことが最優先
産後すぐの時期は「産褥期」と呼ばれ、
ホルモンバランスや子宮の大きさが妊娠前の状態に戻るまでに約2ヶ月かかるとされています。
この時期は体の回復を最優先に考え、無理をしないことが重要です。
- 完全安静:激しい運動は絶対に避ける
- 睡眠確保:赤ちゃんと一緒に休息を取る
- 栄養補給:授乳のためにもしっかりと食事を摂る
- 医師の指導:1ヶ月検診まで運動は控える
基本的には寝たままできる軽い呼吸法や、足首をゆっくり回す程度の動きに留めておきましょう。
この時期に無理をすると、後々の回復に影響を及ぼす可能性があります。
体調に不安がある場合は、必ず医師に相談してください。
産後1〜2ヶ月:軽いストレッチや骨盤ケア
1ヶ月検診で医師の許可が得られた後、軽い運動から段階的に始めることができます。
この時期は骨盤底筋の回復と、凝り固まった筋肉をほぐすことを目的とした運動が中心となります。


骨盤底筋トレーニング
仰向けで膝を立て、
排尿を我慢するように筋肉を締める
5秒間キープして
5秒間リラックスを10回繰り返す
- 軽いストレッチ
首や肩を回す、膝を胸に引き寄せる
座った状態での体側伸ばし - 深呼吸エクササイズ:腹筋の活性化
「2ヶ月ぐらいで尿もれや腰痛の改善を感じる方が多い」とされているため、継続して行うことが大切です。
産後3ヶ月以降:筋トレや有酸素運動を少しずつ
産後3ヶ月を過ぎると、より本格的な運動に取り組むことができるようになります。
ただし、「妊娠中に腹直筋の真ん中が左右に離れてしまっている」ため、
腹筋の状態を確認しながら慎重に進めることが重要です。
- ストレッチから開始
骨盤周りのストレッチ、全身の柔軟性向上 - 軽い筋トレ
プランク、壁押し腕立て伏せ
スクワットやランジ(膝に負担をかけない範囲で) - 有酸素運動
ウォーキング、軽いエアロビクス
水中ウォーキング(体への負担が少ない)
運動時の注意点とNG行動
腹筋運動(クランチ)は腹直筋離開があると悪化


産後は腹直筋離開により腹筋が左右に分かれてしまうことがあります。
この状態で従来の腹筋運動を行うと、症状がさらに悪化する危険性があります。
- 起き上がり腹筋やクランチは腹直筋離開を悪化させる
- 腹部に縦線状の盛り上がりが見える場合は要注意
- まずは医師や理学療法士に腹直筋離開の確認を依頼する
- 代替運動として呼吸法やドローインから始める


ジャンプ・激しい動作は尿もれを悪化させる可能性
産後は骨盤底筋群が弱くなり、尿もれや臓器脱のリスクが高まります。
急激な腹圧上昇を伴う運動は症状を悪化させる可能性があります。
- ジャンプや跳躍動作
- 重いウェイトを使った筋力トレーニング
- 激しいランニングやスプリント
- 腹圧が急激に上がる動作全般
尿もれの症状がある場合は、まず骨盤底筋の回復を優先しましょう。
無理に骨盤を締めるような強い動作は危険
産後の骨盤は不安定な状態にあり、無理な矯正や強い動作は逆効果です。
急激に骨盤を締めようとする行為は、関節や筋肉に過度な負担をかけます。
- 強すぎる骨盤ベルトの装着
- 無理な骨盤矯正ストレッチ
- 急激なひねり動作
- 片足立ちでの無理な姿勢保持
よくある質問


まとめ


産後の運動は、お母さんの身体と心の回復にとって非常に重要な役割を果たします。
しかし、妊娠・出産により大きく変化した身体に対しては、
適切な知識と段階的なアプローチが欠かせません。
運動開始のタイミングは個人差が大きく、
体調や回復状況を最優先に判断する必要があります。
医師の許可を得てから始めることはもちろん、
運動中も身体の声に耳を傾けながら進めることが大切です。
- 医師の許可を得てから運動を開始する
- 産後1ヶ月は安静を最優先し、軽いストレッチから始める
- 産後2-3ヶ月頃から段階的に運動強度を上げていく
- 腹筋運動は腹直筋離開の回復を確認してから行う
- ジャンプなど激しい動作は尿もれを悪化させる可能性がある
- 無理な骨盤矯正や強い動作は避ける
- 帝王切開の場合は自然分娩より慎重なスケジュールで進める
- 授乳中は激しすぎる運動を控えめにする
不安や疑問がある場合は、遠慮なく医師や理学療法士などの専門家に相談しましょう。
適切な指導を受けながら運動習慣を身につけることで、
育児という長期戦を乗り切る体力と精神力を養うことができます。
参考文献・引用:
・https://fit.clinic/symptoms/diet/women/postpartum/
・https://www.aska-pharma.co.jp/mint/womanhealth/sango/
・https://journals.lww.com/acsm-healthfitness/fulltext/2014/11000/postpartum_exercise.3.aspx
・https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095254623001308
・https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4134098/
・https://bjsm.bmj.com/content/58/6/299
・https://www.mdpi.com/2227-9032/11/20/2801








